『愛の縫い目はここ』最果タヒ著


詩って文章量こそ少ないものの、そこから感じとることのできる感情は深さがあり、自由に想像できる幅もあります。





短い文で人の心を動かすほうが、もしかしたら難しいことかもしれません。





最果タヒさんの詩には心に残る一文がいくつもあります。





身近にあるものと、空間や思いを組み合わせて書かれた詩が多く、それは自分のつまらない生活にユーモアを生み出したり、今の生活を愛おしいと思えるサインにもなります。





あと、何故こんなにも惹かれるんだろうと、くるくると脳みそをまわしてみて、気づいたこと。





一見、残酷で、口に出したら人に嫌われるかもしれないから、心の内で留めておくようなことばと





見えない透明の毛布をそっとかけられたような救いのことば、





その両方が詩にちりばめられているのです。





それは、残酷なこともある現実を見ないふりするのではなく、一旦そこで痛みを受け取り、その上で痛みを和らげてくれるような文で寄り添ってくれる。





知らないうちにできていた傷を治療されている感じ。





縫う時って、針を刺すちくっとした痛みもあるけれど、それによって傷がふさがっていきますよね。





その軌跡が刺繍をみているかのように芸術的な詩集です。


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