映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」


映画冒頭からなんとなく違和感のある世界が映し出される。



「うる星やつら」は、TV版も全く見たことはないが、

先日、菅田将暉のラジオを聴いていて、ミュージシャンの石崎ひゅーいくんのおすすめでこの映画をみて、独特でなんとも不思議な世界観だったというような内容をを話していた。

その時からなんとなく心に引っかかって観たいと思っていた作品。



ネタバレ注意。
第一幕 繰り返される学園祭の前日。

全て見終わった後だから言えるけど、この繰り返される日も夢の中のできごと?ということなんだろうか。

だとしたら、この部分はビューティフルドリームではない。

少し薄暗く、コメディー要素がありつつも、奇妙な世界観。しかも夜の描写がほとんど。

笑うセールスマンをちょっと思い出してしまうような、夜の街で出口のない迷路に迷ってしまったような漠然とした不安

が展開される。



第二幕 荒廃する友引町

諸星家以外は廃墟になり、しかし電気・水道・ガス・スーパー・食べ物は何故か尽きることなくある。

自分のほしいものだけがある楽園状態。まさにビューティフル・ドリーム!

第一幕に比べて、昼間のシーンが多く、明るい。

楽しそうな描写が続くが、どこか現実感がなくふわふわとした時間がすぎる。



第三幕 夢邪鬼との対決

この世界はラムの夢だとわかり、そこから抜け出そうとちっちゃいおっさんと色々やりとりをする。

正直この辺は、よくわからなかった。



話の本筋からは逸れるかもしれないが、

「好きな人を好きでいるため、その人から自由になりたいの」




このセリフだけ、ポンっと頭の中にはっきりとインプットされ、今も残っている。



終幕 夢からの帰還、あるいは夢の繰り返し

最後のシーンだけ、この映画の中で唯一、現実感のあるシーンだった。

実際に時計の針も存在し、現実にもどっている。

最後のキスしようとしたけど、できなかった。という自分の思う通りにはいかない現実。そのオチがなんとも愛らしく思えた。



公開が1984年ということで、相当古い!

今となっては、夢と現実を行ったり来たりする映画はいくつもあるが、こういった世界観の映画って誰が第一人者なんだろう?とふと思う。

さらに、アニメや映像では表現しにくいこの世界観や構造、現実と夢の移動などを作品として描きだすのは、相当緻密で大変なことなんだろうと毎回思う。



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