ドラマ「わたしを離さないで」


本は、映画は、ドラマは、

考え方のサンプルを与えてくれる道具だと思う。

困った時、行き詰まって前に進めない時、

この人は、主人公は、こういう考え方をもって乗り越えていくんだ。ということを知ることによって、いつか自分にも来るだろう困難に立ち向かうための大事なアイテムをひとつひとつ集めて心に収納していく。という作業を読みながらしているような気がする。


「わたしを離さないで」は本とドラマをみた。

そのなかでドラマ版にしかない言葉で大事なアイテムをみつけた。

それはトモの夢に対する考え方だ。

そもそもの設定が残酷な世界。「提供」という自分の体の一部を誰かに与えるために生まれてきた主人公たちは、とても過酷な生き方を強いられている。その状況下で小さな希望が見えたかと思ってもすぐに裏切られる。そんなことが幼い頃から繰り返されていた。


そんな中トモは、

「夢って叶わなくてもいいんじゃないかって思うんだよ。…叶わなくても、でも自分に夢があった事はすごくよかった。夢ってどうも、叶うから持つもんじゃないっていうか、叶うか叶わないか分からないけど持つもので、持っていることが幸せなことで、だったら俺たちも持ってたほうがいいんじゃないかって…」


このセリフ、表情を含め、トモがキョウコに語るこのシーンが一番印象に残っていて、頭の中でリフレインされる。

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